このレビューはネタバレを含みます
人生最高の幸せの瞬間は一瞬。
シンデレラになれた茉のパトロンはあっという間に時勢に乗って香港へ去っていった。その後ずっと過去最高の瞬間を引きずっている。三代で誰よりも甘ったれた性格もひねくれた彼女。
堂々と産まなきゃよかったなんて言ってしまう。
誘惑のシーンは、恐ろしいほど美しい。
階級を越えた結婚した莉は、むしろ彼を自分に合わせるようになった強い女性。
あまりにも固執しすぎて妄想が過ぎてしまう。自分の口が災いして夫を亡くし、自分も自殺。
残った莉の養女·花。
しっかりものの彼女は少し頼りない田舎出身の彼と、結婚して上海に帰ってきてしまった。
大学に進学し、日本に留学…待てど暮せど帰ってこない中での妊娠。
結局一人で産み育てる決意をしたもののその出産は…凄まじいものだった。
母に反発するものの、母になって娘を心配するあまりかける言葉はその反発していた母を彷彿とさせるもの。
愛のほろ苦さ、幸せの脆さ、命の尊さ…色んなことがいっぺんにやってくる映画。
時代を変えてみていくことで、時代に自分をフィットさせて幸せを求めていく姿は、この21世紀を生きる私達にも共通すると感じた。
最後に住み慣れた家を立ち退いた彼女が新しい家の近所の真新しい公園に、彼女と父と母、そして赤ん坊が一緒に遊んでいるのを晴れやかな笑顔でみている。
最後が明るい未来を彷彿とさせる終わり方で良かった…。
見終わって、私も頑張ろう!!と思える。