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人間革命のblacknessfallのレビュー・感想・評価

人間革命(1973年製作の映画)
1.1
丹波哲郎さんが創価学会2代目会長を演じる。
丹波さんがまともに演技してる映画観たことなかったんだよね。
一番印象強いのは仁義なき戦いの明石組組長。でも、これナレーションの時に流される写真だけだし。
主演て言うと石井輝男監督の忘八武士道しか観たことなかった笑

いやぁ、丹波さんすんごくきちっと演技できるんだなぁて驚いたね。
この2代目学会会長 戸田城聖て多面的な人。貧しい境遇から苦学して教師になり、その後出版中心に事業に邁進、それに成功しつつ学会初代会長 牧口を師と仰ぎ学会活動もエネルギッシュにやる。
教師的な勤勉さ。実業家の生臭くも愛嬌のある成功者特有のアク。戦時下、治安維持法で会長とともに獄に繋がれ、信仰の放棄を迫られるも断固拒否し続けた信念の宗教家の顔。
これらを、その地のキャラとは似つかわしくない律義さと誠実さを感じさせる熱演に丹波さんの役者としての真のポテンシャルを見た!特異なバランスで聖と俗が混在する戸田城聖をリアルに表出させてた。お見事!
いや、これが仲代達矢や緒形拳ならそんなに驚かないんだよ、演技の鬼みたいなスタンスの人達なら、まあ、好きだし、そりゃ、やるよねみたいな笑
でも、丹波さんはおれが知る限りにおいて、生来の武骨ながら端正な顔からくる威厳のある雰囲気を活かして、いや、それに頼り切って偉い人を滔々演じるイメージしかなかったから。
だけに師である牧口の獄死を知って、独房で弱々しく亡き崩れるシーンの痛ましさに釘付けなったよ。
今の学会の在り方なんかも吹っ飛んで、強大な試練にみまわれた宗教家の慟哭として胸に迫ってきた。

しっかし、丹波さんはいいんだけど映画としては非常に見ずらいんだよな。
もう、牧口獄死から丹波・戸田城聖が再生、獄から出て学会再建の基盤を作るとこで話は終わってるのに。
戸田が講演や座談会で学会の教義を演説するシーンが延々と続く、ご丁寧に再見シーンの寸劇つきで、、これがかなりツラい笑
学会員が見れば感涙モノなのかもだけど、部外者からすると無理やり学会のプロモーション・ビデオを見させられてるいやさが、、
そう、これは学会お得意の勧誘、彼等の言葉で折伏のツールとしての側面のある映画なんだよ笑
オープニング・クレッジットにシナノ企画といういかにもな名義が出てきたのを思い出す笑
当時、ヒットしたらしいけどこれ観て学会入りした人いるのかな??

東宝の映画なんだよね、これ。確かにセットに時代を再現した緻密さや豪華なキャスト(音楽は伊福部昭!)に意気込みが伝わる。同時にこの時代は映画にここまで手間暇かけることができた時代なんだなとも思った。
今はこんなしっかりしたセットでこれだけ有名俳優使って撮れないと思う。

うーん、それにしても戦中の創価学会かっこいいじゃんかよ。
治安維持法に屈せず信仰を貫き、戦争そのものへ批判的なスタンスも崩さなかった、実に立派な仏教団体だよ。
な・の・に 何で今の創価学会はクソそのものなんだ?
門外漢のおれでも指摘できるぐらい信仰と教義に逆行する政権の太鼓持ちをしてるのか?
映画の中で戸田城聖は弱肉強食を肯定し大企業の横暴を許すのは畜生界に堕ちた状態だと言ってたぞ。
映画じゃないけど、池田大作の著書の中に沖縄にこれだけ基地がある状態は真の平和とは言えない旨の記述がある。
学会の君らはあれなの?、自分等の師より安倍や自民党のが好きとか?
先人達の命懸けの宗教活動を踏襲した結果がそれでいいのか?
聖教新聞なんか読んでないで、人間革命観て性根を叩き直せよな😂

点数低いのは今の創価学会がダサいから😬💨
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