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人間革命のRのレビュー・感想・評価

人間革命(1973年製作の映画)
4.0
友だちにtakeちゃんこれあげるわ!ってDVDもろて10年くらい経ってようやく見た! 折角くれたのに、ごめん、なかなか見てなくて。いや、一回見ようとしてんけど、中盤のはじめくらいで寝てしまって…このたび再び見てみたら、中盤はやっぱちょいと退屈なんやけど、そこを越えると俄然面白くなる。日本を代表する仏教教団創価学会の、後に2代会長となる戸田城聖が出獄するところからストーリーが始まる。戦中に大借金を残して破綻した事業を建て直して出版社を設立し、中心街に立派な建物を構えるまでに発展させ、その二階で、そして日蓮正宗大石寺で、法華経の講義を行うまでを描いている。見終わって最後の 人間革命 終 の字幕の下に一部、二部、とあったので、本来二部構成なのでしょう。おそらく、法華経の講義からが二部なのかな? それまでは、事業再建を軸に回想シーンとして、第1代会長牧口常三郎と戸田城聖の出会い、日蓮正宗への入信、創価教育学会の結成、治安維持法違反での投獄、などが描かれていく。正直、この辺の演出はビミョー。ふつうに解説付きのダイジェスト伝記って感じで、この部分が結構長くてしんどい。が、牧口氏の死を知らされた戸田の慟哭と戸田の獄中での三十四の否定の悟りシーンは感動的で、今まで丹波哲郎ってテキトーに演技してるやくざなおっさんくらいにしか思ってなかったけど、こんな演技ができたのか!とビックリするくらい入魂の熱演。ただ牧口・戸田の師弟関係がそれ以前にあまり詳細に描かれてないので悲しみの深さが伝わりにくいのは残念。ふたりが獄中ですれ違うシーンはシビれたけど! で、小さな座談会が開かれるようになっていく中盤以降はかなり面白く、戸田氏の個性的で磊落な性格、発言、信念が大変魅力的、また座談会に入ってくるやさぐれたヤクザを演じる渡哲也めちゃめちゃイケメン!ってかカワイイ系やな、どっちかというと。演技も良くて見とれてしもたわ。後半は、戸田氏による法華経の長い長い講義の一部であろう十界論の解説を、講義の様子と教義内容の映像化をカットバックしながら進む。下手するとテレビ番組みたいになりそうな作りだが、相当しっかりした映画製作陣なのであろう、かなりの迫力と説得力がある。ここからはネタバレになるが、まぁ十界論は漫画を含めいろんなとこでよく出てくるのでよいでしょう。講義の中で戸田氏は、宗教の有無や差異に関わらず、人間の命の普遍的かつ本質的な9つの状態があると語る。人間は、六道を離れ声聞・縁覚で初めて自己の主体性の確立が始まる、これがなされた後、ふたたび人々の中へ、社会の中へ戻って人のために尽くしていくのが菩薩。そして人は1日の間にその状態を行ったり来たりする、その九界の中心に命=仏=南無妙法蓮華経が貫いている、と語る。おもしろい! 日蓮の仏法が単なる観念論のはずがない! 戸田城聖は南無妙法蓮華経から出発します! すごいPassion! 講義の続きが気になる! ただ、個人的には、一作のなかに話を広げ過ぎ詰め込み過ぎな感じがしたので、3作品に分けたらいいのでは?と思った。ひとつは日蓮の伝記(←めちゃくちゃ面白そう! 竜の口シーンと仲代達矢素晴らしかった!)、ひとつは戸田幼少〜出獄(エンドロール前に字幕でその後を紹介)まで、最後は出獄後。潤沢な資金をもとに本作レベルの最強スタッフで、もう少し娯楽よりに作ったら、いまなら世界で興行的成功を収めれるやろし、布教にもなるし、関係ない人もいろんな意味で楽しめるしで、良いのではないだろうか? こんな感じで、いろんな宗教団体のガチ映画を作るのめっちゃおもしろそう。幸福の科学も、よーわからんフィクションじゃなくて、大川氏の伝記映画にしたり、中山氏、久保角氏、御木氏、など謎めいた人物も映画化したら話題になるやろし面白そう! 戸田氏ほどのインパクトがあるかは知らないが。続人間革命も棚の中で眠ってるので近日中に見てみよーかな。
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