イチロヲ

ハリケーンのイチロヲのレビュー・感想・評価

ハリケーン(1937年製作の映画)
4.0
南太平洋の小島で結婚式を挙げたポリネシア人の船乗りが、統治するフランス提督から迫害行為を受けてしまう。ポリネシアンの反権力闘争を描いている、サバイバル・アクション映画。

エキゾチックな太平洋諸島のロケーションとエキストラ撮影、そして高飛び込みのスタントが採用されているため、ジョン・フォード特有の「大作映画」感覚に満ち溢れている。異人種の描写に「ご愛嬌」な部分が目立っているが、そういう時代だから致し方なし。

天下の白人様に楯突いたことで投獄され、妻子と離ればなれになった主人公が、命懸けの脱出劇を繰り広げる。「神様が救済してくれる」のではなく、「人生とは苦難の連続である」を説いていく作風になっている。

クライマックスのハリケーン描写が驚天動地の領域であり、ミニチュア特撮による「破壊の美」はさることながら、逆巻く波に飲み込まれていく生身の演者たちが、エクストリーム級の名場面を作っている。特撮ファンの必須科目にすべき作品。
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