タクマ

モスラのタクマのレビュー・感想・評価

モスラ(1961年製作の映画)
3.6
小美人の歌声が響く時、愚かな人類に対する自然の怒りと共にそれは降臨する。その名はモスラ。
ゴジラと並ぶ知名度を誇る東宝三大怪獣の1体であるモスラのデビュー作品。
ゴジラが原水爆から生まれた怪獣と言う当時の社会風刺を盛り込んだ作品になってる一方でこちらはよりエンタメ的で分かりやすい勧善懲悪物。モスラの故郷であるインファント島にも核実験の影響がと言う話が本編には出てくる物のどちらかと言えばインファント島の小美人を使って金儲けを目論む悪人達とそれに対峙する善良な人々を通し私利私欲の為に自然破壊を続ける現実社会に警鐘を鳴らす1本。
今から60年程前の作品ながらも特撮のレベルはびっくりするくらい高い!東京上陸場面での自衛隊の目線から見たモスラのカメラワークもさることながら東京タワーで繭を作りそこから成虫になる場面は美しく突風で町を蹂躙していく姿は迫力があります。
今でこそモスラって言ったら人間を助けてくれる正義の味方と言うイメージですがこの頃はあくまでも小美人の味方。連れ去られた小美人を取り戻すために町を破壊する怪獣としてのモスラの姿に今見てみたら意外性を感じる人もいるんじゃないでしょうか。この怪獣だけど正義の守護神っていう立ち位置は後々に人間の味方としてのヒーロー怪獣として一つの時代を築くゴジラやガメラにも深い影響を与えたんじゃ?と個人的には思ってます。
ハッピーエンドながらもどこか物寂しく感じるラストシーンに正義の怪獣の元祖としてのモスラの魅力を感じれる良質な娯楽作品だ。
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