なかずかい

モスラのなかずかいのレビュー・感想・評価

モスラ(1961年製作の映画)
4.3
子どもの頃以来に見たが元々『ラドン』に次ぐレベルのクオリティの映画だと思っていて、実際令和の今見てもかなりの見応えがある凄い作品だと思う。
ラドンに続き強風の特撮表現は優れているし、成虫モスラの操演はとても始祖とは思えないほど洗練されている。というか幼虫と成虫とで別の見所があり一体で2度美味しい構成が良いと思う。更にザ・ピーナッツ演じる小美人の合成が全くの違和感を感じさせないのは合成技術が優れていることに加えて匠なカット割によるものも大きい。しかも舞台も東京からロリシカなる国のニューカーク・シティなる街に終盤で移動することもあって色々な見所が詰まっている作品である。
ただまあロリシカ国、ニューカーク・シティとかアメリカロシアを想起させる国を出しておきながら結局持て余しているようなところがあるのが中々に残念である。結局ただの文明批判に留まっているしそれにしては主張が弱い。という点でエンタメに振っている『ラドン』の方に個人的には軍配を上げたい。
ただ、東宝の離島描写って個人的にかなり好きで、翌年の『キングコング対ゴジラ』なんかでもあるけど本作のインファント島描写も結構好きなのだ。宇宙の方がロマンは感じるけれど、離島の方が映画で登場したときは描写的に楽しさを覚える。後の『ウルトラマン』の多々良島描写も大分好きなのでそういう癖があるのかもしれない。
本作は記者の福田、ミチと言語学者の中條と魅力的なキャラクターによって進行していくところも実に見やすいのも好きポイント。フランキー堺が本当に良い味出してる。
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