kazu1961

モスラのkazu1961のレビュー・感想・評価

モスラ(1961年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「モスラ(1961)」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1961
▪️JP Release Date :1961/07/30
▪️Production Country:日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-366 再鑑賞
🕰Running Time:101分
▪️My Review
東宝が初めて、カラーシネスコで製作した怪獣映画の名作です。悪徳古美術ブローカーの手で南海のインファント島から連れ去られた小美人を取り戻すため、守護神モスラが東京に襲来します。イモ虫状の幼虫が渋谷を瓦礫と化した後、東京タワーに繭をはり巨大な翼を持つ成虫へと脱皮するモスラ。その極彩色を配した美しさと造形は特撮ファン、怪獣ファンにとても人気があった一級のファンタジー作品です。
特撮面でもよりレベルアップ。『ゴジラ』や『空の大怪獣ラドン』以上に精巧な、登場最大規模のミニチュアセットが組まれました。モスラが蹂躙する青梅街道、道玄坂、渋谷界隈は、実物と寸分違わない精巧な20分の1スケールのミニチュアで再現されています。また、当時は東京オリンピックを控えての都内の地下鉄工事、主要駅前の再整備工事なども再現されています。
さらに本多猪四郎監督と特撮担当の円谷とのコンビネーションも円熟期の冴えを見せ、モスラに蹂躙された都心の街頭場面で、電線のスパークや、犬の鳴き声などを劇中に挿入し、リアリズムに徹したきめの細かい本多演出の好例となっています。
小美人に扮しているのは双子の女性デュオ、ザ ・ピーナッツ。彼女たちの歌う『モスラの歌』はあまりにも有名です。主役の新聞記者役にフランキー堺が扮し、そのユーモラスな快男児像がこの作品の軽妙さと明朗さを象徴しています。
製作 田中友幸、監督 本多猪四郎、特技監督 円谷英二のゴールデントリオに加え、純文学畑の福永武彦、堀田善衛、中村真一郎の3人による「発光妖精とモスラ」を原案にしたことが数ある東宝特撮映画の中でも特に幻想的なムードを強く放っている理由となっています。
本作、東宝がゴジラ、ラドンに続く怪獣キャラクターとして注力しました、構想3年、製作費2億円(当時)、製作延日数200日をかけた大作特撮映画です。本作で初めて登場した怪獣モスラは、その後も多くの作品で活躍し、先出の2怪獣と並び“東宝三大怪獣”と称されています。
物語は。。。
南洋のインファント島に座礁した第二玄洋丸の乗員は、無人と思われたその島に、原住民が生存していることを伝えました。インファント島で核実験を行なったロリシカ国は、実態を調べるため、島に調査隊を派遣します。調査隊の一行は、そこで巨大な卵と卵に仕える妖精のような小さな女性“小美人”を発見します。隊長のネルソンは小美人を連れ帰り、見せ物にして売り出すことを画策しますが。。。
本作、当時の日本の政治状況を反映した描写が目立ちます。また、当時の宣材パンフレットには、フェミニズムや先住民問題がテーマとして掲げられているそうです。時代ですね。

▪️Overview
中村真一郎・福永武彦・堀田善衛の原作を、「泣きとうござんす」の関沢新一が脚色し、本多猪四郎が監督した特撮映画。撮影は小泉一。パースペクタ立体音響。(参考:映画.com)

出演は、フランキー堺、香川京子、小泉博、ザ・ピーナッツ、ジェリー伊藤、田山雅充、河津清三郎、志村喬、上原謙。
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