ダイナ

ロボコップのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

ロボコップ(1987年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

1987年アメリカ公開のSFアクション映画。数年ぶり再鑑賞。残虐描写が濃い事と敵ロボットの動きが独特だった事はうっすらと覚えていたものの話自体は忘れていたため再確認。とにかくED-209が可愛すぎる映画でした。

魅力の一つはなんといっても残虐描写の濃さ。タイトル・ポスタービジュアルからは子供におススメヒーロー映画みたいな顔してやがりますが注意が必要。マシンガンで人が蜂の巣にされて血がビシャビシャ吹き出したり、マフィアにリンチされる主人公マーフィが腕を吹っ飛ばされる所を画面にバッチリと映してたり(ここマーフィが欠損してる人間とは思えないほどリアクション薄くて笑っちゃいました。)、有害廃液で人体が溶けたりと、暴力・残虐な描写が濃く、映画のシリアスさを高めています。

個人的に滅茶苦茶ツボだったのは敵ロボットの「ED-209」です。ロボコップ設計の主軸ボブ・モートンと対立していたリチャード・ジョーンズ(本作の黒幕)が当初企画を進めていた治安維持ロボットがED-209なのですが、こいつがやることなすこと面白すぎて最高でした。初登場時プレゼン中にて、社員を仮想敵に見立てて無力化するパフォーマンスを披露するはずが、マシンガンで蜂の巣にしちゃって。ダメダメじゃねえか!そして後半ロボコップと対峙するシーンでは出会って1分程で腕を自爆させられる始末。そして階段シーン(個人的に本作の最大最高の見所)階段を下るロボコップを追うED-209。ドアをくぐるときにちょっとしゃがんで、階段降りるときに「足場どこかな……」みたいに足をフラフラさせて、案の定転げ落ちて「ウワー」みたいな断末魔を上げて。可愛すぎか。ロボコップも「何やってんだこいつ」と一瞥した後背を向けるのもシュールで最高に笑えます。最後の見せ場でも爆破させられて笑いが止まりませんでした。

クライマックスの「社員という肩書き」を解雇で消すことで安全装置をクリアするという機転はとても面白かったです。ただ会長も良い奴みたいな雰囲気出してましたが、序盤で社員がED-209の暴走で死んだ後平気にビジネスの話してて普通に外道なのでは……。

残虐描写により緊迫感が増されていはいますが、その他のツッコミ要素が強すぎてシリアスよりユーモア感を多分に感じました。それが悪いかと言われたらそんなことはなく、想像以上に楽しめました。機械化された自分は何なのか、何をすべきなのか。アイデンティティを取り戻すストーリーは王道で面白く、名前を聞かれて「マーフィ」と答えた時のカタルシスは最高でした。それにしても前見た時の記憶がほとんど無かったのは何故なのか、おそらく午後ローでながら見してたからか。
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