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炎上のtheocatsのレビュー・感想・評価

炎上(1958年製作の映画)
3.2
本映画の原作者は三島由紀夫とのことだが未読。しかし、水上勉「金閣寺炎上」である程度の前知識はあり。

さて、吃音持ちである主役の犯人が寺の小僧となり、寺の金で大学まで通わせてもらいながらどういうわけかヤサグレてしまい、ついに「国宝の寺社に放火」するに至るまでの心理的変遷は、十分に描かれているとは感じられなかった。
その点では満足できなかったけれど、市川雷蔵と仲代達也はほぼ同年代と分かったことでちょっと感慨深い気持ちにさせられた。
雷蔵さんも存命であれば仲代達也と同じ重鎮的ポジションに勿論いたであろうと。
それからほんのちょい役で中村玉緒が出ていたけどとても可愛らしかった。

アアッ・・それにしてもカラーであれば寺の大炎上場面はさぞや見応えがあっただろうなと、そこが惜しまれた。
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