自家製の餅

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホームの自家製の餅のレビュー・感想・評価

3.9
ボブ・ディランの長いドキュメンタリー。地元からニューヨークへ。1966年に迎えるひとつのピークまでの軌跡。

彼の天才的な作家としての素質や歌詞、ワシントン大行進など政治運動との関わりやフォークというスタイルの享受について、証言や資料をもとに語られる(本人も)。

バンドとエレクトリックに表現スタイルを変えたことによるファンとの確執に焦点を当てた後半はライブ映像もふんだんで、すこし退屈でもある前半を耐える価値はある。
本作で語られはしないがディランはその後、何度もスタイルを変え続け、いまやヒット曲を演奏しなかったりアレンジ(メロディすら)を大幅に変えて演奏する。
変わり続けることが、彼の一貫したスタイルであることを活動初期に焦点を当てたドキュメンタリで示唆するあたりはさすがスコセッシ。