マーティン・スコセッシによるボブ・ディランの長尺ドキュメンタリー作品。
通して鑑賞しての印象としてはボブ・ディランという人物の歴史が当時のアメリカの若者の歴史に直結しているという事。
ベトナム戦争、ケネディ暗殺など激動の時代だった当時のアメリカにおいてディランの音楽がいかにセンセーショナルなものだったかこの映画から窺い知ることができる。
ただ時代の寵児として持て囃されても「自分の音楽」という芯は変えずにやりたい事を貫き通す姿はめちゃくちゃカッコいい。
フォークからロックに転向してオーディエンスから「ユダ」「裏切り者」とブーイングが飛ばされ続けたら心折れそうなものなのに…。
その後もカントリーに行ったりキリスト教に寄せたアルバム出したり、ボブ・ディランがリスナーに合わせるのではなく、リスナーがボブ・ディランに合わせる音楽性を続けて今も第一線は本当にカッコいいなと思う。
ただ一つ不満なのは歌詞が重要なアーティストなのに使用される彼の楽曲に対訳が付いていないのはダメじゃね?特に自分の様なそこまで彼の楽曲知ってる訳じゃない人にとっては一番大事な部分だと思うんだけど…。