せーや

ブレイブハートのせーやのレビュー・感想・評価

ブレイブハート(1995年製作の映画)
4.0
馬もたまったもんじゃないよなぁ。

13世紀、イギリス。
史上最も残酷で非情なイングランド王エドワード1世のもと
スコットランドは長きにわたり侵略されてきた。
そんな中、1人の田舎者が、自由を求めて立ち上がる。

「ホントはやりたくないけど、しょうがないからやる」

スコットランドに愛国心を生み出し
イングランドの侵略から守った男、ウィリアム・ウォレス。
どんなに勇敢で、祖国を愛していたのか。
きっと英雄とはそういうものなのだろうと。

でも、実際は違った。

映画で描かれるウィリアム・ウォレスは
家庭を築き、平和な人生を送ることを夢見ていた。
しかし、それにはイングランドによる支配を脱しなければいけない。
当たり前のことをするために、戦わなければいけない。
本当は、戦わないことが一番。

自由すぎる時代に生まれ、支配を知らない私たちは
ウォレスの望みは些細なものに見えるかもしれない。
でも、彼らにとって、それがどれほど欲張りな望みだったか。

自由のために、戦わなければならない。
そうして勝ち取った自由は、意義あるものになる。

ただ支配者の下で戦わされるよりも
きっと大きな意味のある戦いなんだろう。
だからこそ、彼らは勝つことができた。

支配される側の思いを非常に上手く描いている。
これを見たら、きっとイギリス(イングランド)が
嫌いになること間違いなし←

エドワード1世に対抗するウォレスたちだが
彼の息子エドワード2世が酷い。
「史上最低の王」と揶揄される彼は
気持ちいいぐらいの愚かっぷりでした。
こりゃあ親父の面目丸つぶれだなぁ。

戦いのシーンに重点を置いているため
作中の半分以上が戦闘シーンで
なかなか血なまぐさい演出。

しかし一方で、抑圧されるスコットランドの人々
そして支配する側のイングランドの貴族たち
様々な人々の思惑や感情が描かれている。

この映画が公開されて
スコットランドの独立感情が高まったそうで。
こういうのは本土の人じゃないとわからないなぁ。
やっぱり日本とは違う国だと改めて実感。
「大阪が独立する」って言われても
特にないも思わないだろうし…←

「自由」を得るために戦わなければならなかった男。
いつの時代も、こうやって戦う人がいる。
「自由」がどれだけありがたいことなのか。
ノホホンと生きてちゃあダメだね。

なかなか血なまぐさい作品だし
イングランドにイライラすること請け負いです。

史実に忠実かというと、
脚色も多いのでそこはね。
歴史の流れは解るかと思います。

感情は歴史に残せない(良いこと言った)けど
きっと当時の人も、同じような気持ちだったのかなぁと。

エドワード1世期の歴史を知っておくと
より映画を楽しめるかもしれません。
せーや

せーや