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現代インチキ物語 騙し屋のkossのレビュー・感想・評価

現代インチキ物語 騙し屋(1964年製作の映画)
3.0
増村にもコメディはあるが、都会的でセンスのある笑い。それに比べて何とベタな笑いだろう。かたり詐欺集団が行うのは小事の詐欺で繋がりはなく単体。だから盛り上がりはない。

小事の詐欺も、苦学生の万年筆や偽エロ写真など当時でも既出のものが多いのも原因か。ベタな笑いは明蝶、雄之助、船越らの演技によるところが大きい。

せめてラストのオチが、仲間に入れてもらえなかった男に逆に騙されるのではなく、後の東映等で見られる傷痍軍人が実は詐欺で健常体だったら、増村らしさが出たかもしれない。

ただ、オープニングの大阪の街の朝の出勤ラッシュの空撮や、集団が見下ろす大阪の街の俯瞰は増村らしいショットではある。
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