福福吉吉

依頼人の福福吉吉のレビュー・感想・評価

依頼人(2011年製作の映画)
3.5
妻殺害の容疑で夫のハン・チョルミン(チャン・ヒョク)が逮捕される。しかし、自宅のベットに大量の血痕があるものの、妻の遺体は無く状況証拠のみであった。ハンの弁護人となったカン・ソンヒ(ハ・ジョンウ)だったが、ハンは何も答えず、証拠は検察側に押さえられて見ることができず、弁護は至難を極める。一方、アン・ミンホ検事(パク・ヒスン)はハンを犯人と確信し、手段を選ばず裁判の勝利に徹する。そこにはハンの過去が大きく関わっていた。

弁護士カンと検事アンの法廷での戦いを軸にして、事件の関係者たちの動きを丁寧に描いた作品です。ストーリーの主題となるのがハン・チョルミンの正体と被害者である妻の存在となっており、被害者の遺体の無いままに話がどんどん進んでいくのが新鮮に感じました。

弁護士のカン・ソンヒと検事のアン・ミンホは元同僚だったこともあり、ライバルのような感じで、お互いの主張が法廷でバチバチとぶつかり合う展開はとても面白かった。あくまでハンのために戦うカン弁護士と自分のプライドのために戦うアン検事が対照的で良かったと思います。
カン弁護士側のスタッフが検察側に手玉をとられるシーンはカン弁護士に感情移入していたため、非常に痛く感じました。弁護士、検察各自が綺麗事だけで話を進めないのも現実的で良かった。金目当てで証言するおっちゃんの法廷でのやりとりが面白かった。

キー・パーソンとなる依頼人ハン・チョルミンについてはあまり感情移入できなかったです。主体的に話さないため、ハンの性格や心情が出ないまま終盤を迎えた感じで、印象に残らなかったです。

弁護士と検事の対決が楽しい作品でした。なかなか良かったと思います。

鑑賞日:2023年2月2日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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