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KOTOKOのshishishiのレビュー・感想・評価

KOTOKO(2011年製作の映画)
4.9
公開当時に見たときは「なんだかスゴイ映画だな〜」くらいに思っていたが、最近何の気無しに見返してみたら大泣きしてしまった。オイラも年食ったなぁ。
主人公コトコ、もはやほぼcoccoだが、コトコは現実に対峙すると同時に、その状況で起こりうる凶事を強迫観念的に想像せざるをえず、その中で混乱を極めてゆく姿が描かれる。こういうこと、結構みんなあるのではないか。大好きなものができれば同時にそれが破壊されることを想像してしまうものである。
コトコの場合はそれが過ぎて命に関わるので毎日が真剣勝負なようだが、この映画全体がコトコ(もしくはCocco?)の現実に対して想像した凶事なのかもしれない。こんな普遍的テーマもキャメラを回すのが塚本晋也となるとここまで凶々しい作品になってしまうのか。
想像力の負の側面を切り取りつつ、しっかりギャグも入れ込んである。ドアに頭をぶつけまくる2人のシーンや、大丈夫!大丈夫!と叫びながらの怒涛の抱擁シーンなど大爆笑間違いなしである。
普遍的で笑いどころもあるので、他人事などとおっしゃらず是非是非見ておくれ。
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