ユト兄さん

KOTOKOのユト兄さんのレビュー・感想・評価

KOTOKO(2011年製作の映画)
4.5
塚本監督のファンなのでは全て鑑賞対象だけどこの作品は“琴子の歌が、祈りが…”のキャッチとビジュアルで感じたイメージは自分が塚本監督に期待する作風とは違うのかな~と思いました。
けど実際は完全なる塚本晋也作品でした。
強烈な精神的苦痛描写、凶悪な肉体的苦痛描写に嫌悪感を抱きますが、引き込まれ見入ってしまいます。

シングルマザーの琴子さんは1人が2人に見えるほど精神を病んでいます。幼い子供と生活しています…地獄です。
塚本監督は変哲の無い日常を精神的苦痛として捉えるのが恐ろしいほど本当に上手い。
主演Coccoさんの演技もリアル過ぎて追体験レベルです…辛い!

年月を経てお母さん達のレビューも読んでからの、鑑賞は辛さ倍増かつ理解も生まれました。
自分が幼い頃、母親が育児に疲れ私を車に乗せ走っている時に無理心中を考たえたと言われたことがあります。映画と重ねた感想として愛情だったのかな、と感じることができました。
ラストは…精一杯生きている生きて来たからこそだと思う。

…田中に関して、自分は存在しなかったと解釈してました。夢で女性と上手く行きかけて目覚めた時に現実とごっちゃになることがあります、冷静になり「なんだ夢か」と落胆する感覚が田中が消えたときの感覚に近いなと感じたので。
ただ色んな女性のレビューを見ていると、逃げた説が有力かなと思い始めてます(笑)
ユト兄さん

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