mc52

KOTOKOのmc52のレビュー・感想・評価

KOTOKO(2011年製作の映画)
3.5
心はぶっ壊れてるのに、発狂しないで冷静を装ってる方がどうかしてるよね。本来。

1人で子育ては気が狂うのに、そもそもが精神を拗らせていると、まぁそうなるよねってとこからのバイオレンス!予想を上回るバイオレンス!塚本晋也!揺さぶられる。

本作は塚本晋也がCoccoに何度も、いわば執拗にインタビューをして着想得たというか制作した話なので、ガリガリのCoccoが役者としてビタビタにハマってるのは勿論、主人公KOTOKOの妄想なのか現実なのか、もとよりCoccoの話なのかはたまた塚本晋也はそのまんまじゃないのかとか、もういろいろ入り混じって凄いわ。

暴力を嫌悪するために意図的に極端に暴力を取り入れたらしいが、塚本晋也の得意でもあるため、生々しさもあって良い、嫌だけど良い。
まぁ余りにボッコボコなんでドン引きだけど。

私が暴力に身近でないから、KOTOKOがイカれてるように見えるが、暴力に抵抗を無くすとよっぽど田中の方がイカれているのでは?

長い歌唱シーンをみて思ったが、やっぱり塚本晋也がCocco好きすぎて撮った映画だよね。

あまりに個人的過ぎない?と思うが、それでこそ映画監督だなとも思う。
スポンサーや、客の顔色伺って作らないで監督は自分のつくりたいもん作って、それを我々は覗き見て勝手に一方的に感銘を受けるものでいい。

終盤の手作り感満載のキラキラ表現でKOTOKOの精神が救いようなくぶっ壊れてしまうシーンは手作り工作でこんなにも出来てしまうのかと。
強い酒とか薬物とか、大量のブロンをあおって観れば、何億もかかる3DCGとかいらなかったんや!!という発見を得られるだろう。たぶん

 ラストシーンはご褒美だよね、本当に自分の手で殺すってのはあんまりだよって言う、救いの手(顔ボコボコ塚本)みたいな、こっちの方が考える余地があっていいよ、そうであってくれよ。





しかし流石に急に歌う歌が上手すぎて草。
あとCoccoって泣くと鼻水止まんねぇタイプなんだな、欧米か。
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