塚本監督が繰り返し描いてきた、肉体の変容→破壊、精神の変容→破壊、そのカタルシスからの浄化をCoccoの存在を借りて初めて完璧に美しく映像化した感じ。狂った人の視覚聴覚の表現としても秀逸。
Coccoがどの程度ガチなのかは、美しい楽曲ではなく、過去の拒食や自傷行為に関する言動やそのルックスからわかるので、あまりにも残酷だが、映画的には正しいキャスティング。
個性派女優とか演技派女優って売りの人がこれを観た後はマジで自分の肩書きが恥ずかしくなるほど、ギリギリのガチ演技です。
ガチンコ最強過ぎる格闘家にギリギリで本気っぽいプロレスをやらせるはずが、役者でないから全編で本物の凄さがバレちゃってるみたいな感じ。
監督はこの後に『野火』でさらにその先の世界に向かった。