QTaka

KOTOKOのQTakaのレビュー・感想・評価

KOTOKO(2011年製作の映画)
3.8
ヤバいものに出会ってしまった。
それは、この原案、企画、脚本、監督、そしてキャストで想像がつくことだ。
映画は、”人”によって創造される。
.
激しく振れる精神。
正気と狂気。
自傷と愛情。
人の狂気と母の狂気
愛情と恐怖
.
あらゆる感情が爆発的に表れる。
その表現が凄まじい。
その映像が強烈だ。
それは、演じた結果なのか。
それは、撮った結果なのか。
たぶん、精緻に設計された芸術なのだと思う。
その表現を、監督、脚本、原案、企画、そして出演に期待した。
そして、やられた。
完全に、ぶちのめされた。
こんな破壊力はめったにない。
この組み合わせは、「まぜるな危険」ってヤツだ。
そういう組み合わせが有るんだな。
.
監督:塚本晋也
脚本:塚本晋也
出演:Cocco、塚本晋也
企画:Cocco、塚本晋也
原案:Cocco
.
Coccoのアカペラの美しさは別格だ。
それは、映画の各所で見られる。
青空の下、アパートの屋上で歌う姿。
バスの中で、車窓をぼんやり眺めながら歌う表情。
アパートの部屋、男の前で、歌い踊る姿。
それは、狂気の中の美しさなのか。
女のピュアな心の表れなのか。
それは、一服の清涼剤であることは間違いないのだが、その美しさのゆえに副作用が強すぎる。
つまりは、一人で、明と暗、白と黒、いや、白と赤かな。
静と動、いや、静と激か。
二律背反する水と油を両立させるように演じ、舞う。
すごい人です。
QTaka

QTaka