映画監督と新米女優の恋、芸術と現実の矛盾と混在をモノクロで映した映画です。
アンチドラッグ映画を作るための条件が「ドラッグを運べ」という皮肉。でも、フランソワが嫌悪は感じながらも割りきって映画作りに没頭していく様に、もうちょっと苦悩やら良心との葛藤を描いて欲しかったなーと思います。
一方ドラッグに落ちてくリュシーから見えるドラッグの怖さ。
悲劇的なラストは芸術を追求するあまり現実に置いていかれたフランソワと映画のストーリーをなぞってしまったリュシーの皮肉な運命を感じて虚しさと重苦しさが残りました。
劇中映画と映画全体を混ぜてドラッグの悲痛さを伝える手法が面白く、負の象徴として扱われる黒と白の使い分けも上手くて美しかったです。