なんて美しい映画だろう
「ゆるさ」とは違う、巧妙な「脱力感」
そこから垣間見えるは「死」への達観した無常観
いつ誰が死ぬかも分からない緊張感の中、砂浜で子供の様に遊び続けるヤクザ達
『人間紙相撲』
キラリと光る、ビートたけしとしてのユーモアのセンス
かと思えば、また一人、また一人と無感情に消えていく無情さ
たけしが演じる主人公の、反動的な超暴力性や冷徹さ
全てが絶妙なバランス感覚の上に共生した、稀に見ない素晴らしい作品
誰よりも自然体なたけしの演技は、視聴者の心にスッと落ち込んでくる
やっぱり北野武は天才だ。
『天は二物を与えず』って言うけど、とんだ大嘘こきが居たもんだ
久石譲による秀逸な音楽も、作品の雰囲気をピシッとまとめ上げている