このレビューはネタバレを含みます
•明るいながらも確実に死の足音が近付いている異質さ
•赤と青(キタノブルー?)の対比
•ラスト10分 圧巻
•久石譲の劇中歌
•村川さぁん やめてくださいよ
先入観では、暗くて重たいシーンが7で明るいシーンが3くらいだと思っていたけど、
体感では重さが4、明るさが6くらい。
死の足音が近付いていながらも、海辺で子どもみたいにはしゃぐ描写、かえってそれがその後訪れる悲惨さを浮き彫りにしているようで残酷だった。
終始、たけしと大杉漣の凄みに圧倒された。
同性として観たら嫉妬してしまうんじゃないかというくらいに、あまりにも全部がかっこ良い…
組員たちが、派手な柄シャツに着替える中で村川はひとり、最初から最後まで白のシャツを着ている。着崩した白シャツ姿で砂浜に立つ姿、跳ね返った赤い血、かっこ良すぎる…
〈異質さ〉
•目の前で人が刺されても、撃たれても目線ひとつ動かさずじっとしている姿。
•観光バス?に揺られながらも、各々どこか覚悟したような遠くを見据えるような視線が印象的だった。
大杉漣の柄シャツが映画の明暗のバロメーター。
〈赤と青の対比〉
•ポスターの赤地×ナポレオンフィッシュから連想するように、劇中では赤と青の対比が印象的だった。
(空とフリスビー、ハイビスカス、血、幸の車)
釣り人のような格好をした殺し屋が、空に向かってハイビスカス投げた途端、沖縄民謡?の陽気な音楽がぴたりと止まるシーン、ここから始まってしまうぞ…と身構えてゾクっとした。
〈ラスト10分〉
最後の銃撃シーン、主観的なカットよりも外から見た光の点滅やボンネットへの反射が多くてそれが激しさを物語っていてたまらない…
「帰りガソリンを入れてきてくださいよ」というセリフ、片道燃料の最も美しい対義語なんじゃないだろうか。
〈久石譲の劇中歌〉
同じフレーズが繰り返される中で、不穏な部分、明るい部分、死の足音が近付いてくるような部分、転調、いきなりの大きい音、派手な最期、
そこからだんだん楽器が減って静かに締め括られる。鑑賞後に改めて聴くと、映画そのもの。圧巻…
〈村川と幸のやり取り〉
幸はバカな女っぽい喋り方をするけど、やけに本質を突いたような質問をしてきたり、時々ハッとしたような目をする。
村川の会話には下心がなく、ちょっとしたボケでケラケラと子どものように笑う。
たけしが女性を”女”ではなく、”おねえちゃん”と呼ぶ感覚が2人のやり取りを通してわかった気がする。
“あんまり死ぬの怖がるとな、死にたくなっちゃうんだよ”
•村川さぁん!やめてくださいよ!
•キングの父ちゃん(渡辺哲)はいつもランニング着てるな…