Blake1757

ソナチネのBlake1757のレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.5
北野武監督の最高傑作と評されることも多い作品。暴力団の抗争を枠組とするプロットで、拳銃が撃ちまくられ次々と人が死んでいく。
北野が「ソナチネ」というタイトルに込めた意味は分からないが、ルート音(根音)として鳴らされる村川(ビートたけし)の虚無感と、時折挿し込まれるスケルツァンド(おどけて、戯れるような)の可笑しみをともなう、「詩情」としか言いようのない映像の凄さは、いったいどう表現すればよいのか。砂浜を歩く四人。同じ砂浜を一人歩くヒットマン。相撲や落とし穴、花火やフリスビーに戯れる男たち。一つ一つのショットが凄すぎ、圧倒される。(「詩情」や「詩的」といった、何か言ってるようで曖昧にすぎる形容はなるべく使いたくないのだが、他に言いようがない。この映画を語ろうとすると、そんな奇妙な「敗北感」すら感じる。)
Blake1757

Blake1757