たかな

ソナチネのたかなのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.3
綺麗な夏の沖縄で起こる、静かで脈絡のないユーモアと暴力。どこへ来てもしがらみから逃げられぬ男たちが束の間の美しい平穏を過ごしたあと、作中でも登場する驟雨のように、前触れなくそれは終わる。幼くて馬鹿馬鹿しいくらいのじゃれあいは笑えるのだけれど、それが笑えるから尚更、「刹那」が強調されて切ない。どことなく死への誘惑が漂い続けての、ラストシーン。ビートたけし演じる村川の、最後までどことなく無関心というか現実感のなさが、繰り返される静かな暴力をふわふわとさせていて印象的だった。
たかな

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