ハマジン

地球に落ちて来た男のハマジンのレビュー・感想・評価

地球に落ちて来た男(1976年製作の映画)
2.0
ニコラス・ローグの映画ってやっぱ悪趣味だよなーと若干ゲンナリしつつ、「70’sデヴィッド・ボウイのドキュメント」という貴重な一次資料として最後まで見た。浅薄なジャポニズム丸出しの日本舞踊とハメ撮りではしゃぐ男女をカットバックするセンス、現在の目で見るとどうやっても「キッチュ」にしか分類できない何かだと思う。セックスシーンでボウイと一緒に空砲の銃を撃ちバナナを握り(露骨な比喩表現)、挙句おしっこまで漏らしてみせるキャンディ・クラークの身体を張った演技が痛々しく、ちょっと見ていられなかった。
「分かり合えない男女」の話を軸に、ジャンル映画的設定(ホラー=『赤い影』、ロードムービー=『美しき冒険旅行』、SF=本作)を外付けして描くのが70年代ローグ映画の定石だけれども、その外的設定を取っ払ってひたすら男女の話に密着した『ジェラシー』(1979)がやっぱり代表作だと思うし、個人的にも一番好き。
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