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あにいもうとのcometのネタバレレビュー・内容・結末

あにいもうと(1953年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

最初に観たのは秋吉久美子と草刈正雄の1976年版。ラストで大号泣した後、成瀬巳喜男監督による1953年版の方が評価が高いこと、リメイク版の脚本は1953年版と同じ水木洋子であることを知る。今日 ようやく観ることができた。時代設定こそ違えど、確かにほぼ同じストーリーだった。しかしラストは大きく異なる。バス停まで歩く姉妹の後ろ姿。直前の母親(浦辺粂子 最高)と父親の様子も含め、余韻が残る素晴らしい終わり方だったのだが、同時に大変複雑な気持ちになった。先に1953年版を観た人は1976年版のあのラストを絶対に蛇足だと思うに違いない。あそこまで兄に語らせるべきではないと。それは理解できる。しかし どうなのだろう。たまたまではあるものの 先に1976年版を観て感激した身としては、あの草刈正雄の台詞と秋吉久美子の絶妙な表情こそが、兄と妹の真実なのだと思いたい。リメイクにおけるラストの変更、その意図などについて、当時の資料を調べたい。また次は渥美清と倍賞千恵子 主演の山田洋次 脚本の東芝日曜劇場版(1972)を観たい!
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