けんたろう

あにいもうとのけんたろうのレビュー・感想・評価

あにいもうと(1953年製作の映画)
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アイスが食いてぇ。


あにいもうと。
なるほど、創世神話にも見られる兄妹間の愛を描いているのか。これはきっと壮大な物語に違いない。面白そうだ。観てみよう。
…なぁんて思って観てみたんだけれど、まぁ酷かった。

まず、話がとっ散らかっていて、何を見せたいのかが不明。
そのうえ何の変化も起きないから、ドラマが皆無で、全く面白くない。にもかかわらず、兄への想いをいきなり吐露するのだから、いよいよ訳がわからない。
こんなにも酷いのは、きっと見せるべきものを見せず、また見せるべきでないものを見せるという、ひどく下手くそなつくりをしているからだろう。
とにかくそれは、観ていて腹が立ってくるほどのものであった。


とはいえ、京さんは相変わらず(いや、相は大いに変わるのだが)魅力的だ。
きっと京さんが演じさえすれば、鼠でもゴキブリでも何でも魅力的に映っちまうに違いない。
つまるところ本作は、女優・京マチ子を観賞するための作品であった。