キューブリック自身は駄作だと言ったかもしれないが…遺作となった本作は個人的に観ながらにしてどんどんと引き込まれる世界観だった。いわゆるキューブリック的な映像美というのはシャイニングや時計仕掛けほどは観られなかったが、とある解説ブログにあった、不思議の国のアリスや鏡の国のアリスがモチーフになっているのでは、というものに思わずキューブリックのニクい演出だなと共感。
妻の告白にショックを受け、頭の中で他の男によがる妻の姿を何度もリピートしてしまう夫。そのショックから逃げるように夜の冒険へと繰り出してしまうが…
秘密結社をネタにしたという夜の怪しい宴の雰囲気なんかは最高にワクワクした。
アイズワイドシャット…目をつぶってろ。
このタイトルに結婚生活のこと、知ってしまった秘密のこと、己の好奇心や苦悩、いろんな意味が込められているのでしょう。
性がテーマの作品なので性描写がこれでもかと出てくるが、肝心の主人公のビル医師だけは…
夢精したかのようなほろ苦さを残す興味深い作品だった。そして、キューブリック作品を4本観て思ったのは僕はキューブリック作品が好みなんだ、ということ。
