Yurari

アイズ ワイド シャットのYurariのレビュー・感想・評価

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)
3.0
スタンリー・キューブリックにしては面白くないな、というのが正直な感想。性的なシーンが多くて過激な作品、という程度の前知識で鑑賞。

倦怠期の夫婦。医者の夫と、美術関係の仕事をする(現在は失職中)妻。ある日妻が自分の性的願望を夫に告げる。その内容に衝撃を受けた夫。(と言っても、昔旅先で出会い一瞬目があった男性と肉体関係を持ちたいと思った、という程度)
夫は妻の淫行シーンのイメージが頭から離れず、性的に逸脱し始める。風俗嬢にホイホイついて行ったり、仮面舞踊会の乱行パーティーに参加したり。しかし毎回、何も行動せずに終わる。
この男、至るところで身分証を出して「医者だ」とドヤ顔をキメる。これが痛い。承認欲求が強いというか、医者である自分にしか自信が持てないのだろう。

ストーリーを大まかにまとめると、
「妻の性的願望にショックを受けた小心者の男が妄想に取り憑かれ、冒険しようと試みるも結局何も出来ず、勝手に傷ついて妻の元に戻り泣きじゃくる話」

メッセージは、
■夫婦関係において、正直さは時として罪
■パートナーとは共有できない性的衝動を感じたら、匿名性が担保される場のみで発散すべし
■トラブルが起きたら、とりあえず目をつぶってなかった事に
■困ったらとりあえずF**Kすれば万事OK
といったところか・・・。

乱行シーンが夢か現実かよく分からなかったが、確かめるためにもう一度観ようとは思わない。
以前、フランソワ・オゾンのスイミングプールを見た時は、観賞後「!!?」となって続けて3回も観たが、この作品にはそこまでの魅力がなかった。

ニコールキッドマンはとても美しく、目の保養になったが、ラストの買い物シーンはくたびれた中年おばさんになってしまった。これからの結婚生活が、ありふれた、惰性的なものになる事を予感させた。
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