てる

アイズ ワイド シャットのてるのレビュー・感想・評価

アイズ ワイド シャット(1999年製作の映画)
3.6
キューブリックの遺作になった作品。
はだか、はだか、はだか。女性の裸がやたら映っていた作品でしたね。みんなおっぱいの大きな女性ばかりで、みんなモデル級の裸体ばかりでした。その中でもニコール・キッドマンの裸は綺麗でした。彫像のようで、芸術作品のようでした。美しいのは顔だけじゃなかった。
下品のようで、上品な性に纏わる不思議な話しでした。倦怠期の夫婦が悩む性。特に奥さんのアリスは色々と思い悩んでいるようでした。妻であり、母であり、女である。様々な顔や立場があり、それに伴う責任もある。しかし、彼女も人間であり、女である。色々と複雑に思い悩んでいる。その吐露は中々壮絶だった。旦那としては耳を塞ぎたくなるような話しである。そのニコール・キッドマンの芝居は凄かった。あと、ベッドの上で涙ながらに語る悪夢の話し。こんな美しい妻でも悩むんだなぁ、むしろ、美人だからこそ悩んでいるのかもしれない。いずれにしろ、ニコール・キッドマンを見直した素晴らしい演技だった。
それにしても、ちょっとした火遊びのつもりが、こんな大惨事になろうとは。謎の秘密クラブ。何やら大物がいっぱい在籍してるようだが、その概要は不明だ。ただの乱交クラブではないのかな。何かの宗教の儀式の一環だったのかもしれない。そうでなければ、隠蔽するために人を簡単に殺めたりしないだろう。その不可解さが不気味であった。
様々な人の性事情があるんだろうなぁと思う。自分自身は家庭があるけどもモテるし、秘密クラブに行ってみたりと性への好奇心は今でもある。奥さんも過去の記憶やパーティーで口説かれたり、性に悩んでいる。パーティー会場では、主催者が女を連れ込み、その女が薬漬けで倒れている。大物たちは、謎の秘密クラブで乱交パーティーを開いている。何だか異次元の話しのようである。秘密クラブもいまいち実体がないので、よくわからない。性のワンダーランドに連れていかれたようだ。でも、最後のシーンでのショッピングセンターのおもちゃ売場で交じわわせた夫婦の会話でようやく現実に戻れた気がした。様々なことがあったが、要はこの話しは夫婦の性の悩みだったんだと唐突に理解した。ぐちゃぐちゃした想いが急にすっきり解決してしまい、結局のところそんなもんかと拍子抜けしてしまったが、その一方で、親しみ易く感じられた。キューブリックも夫婦間の性のことで悩んでいたのかなぁ。
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