タマル

新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争のタマルのレビュー・感想・評価

4.5
三池監督初の劇場公開デビュー作であり、実質デビュー作といってよいでしょう。『突風!ミニパト隊』のことなんかあたしゃ知りません。

この映画が製作される一年前、1994年8月10日に、後に「青龍刀事件」と呼ばれる上海マフィアの襲撃事件が新宿で起きた。北京料理店〈快活林〉を上海マフィアが青竜刀(刺身包丁説もある)で襲撃し、従業員と客の命を奪った。その客がマフィア抗争とはなんの関係もない一般の日本人であったため、センセーショナルな事件として注目を集めた。当時、新宿歌舞伎町はチャイナマフィア勢力全盛期であり、出身グループ間での抗争が絶えなかった。この事件もまたここに至るまでの上海マフィアと福建及び北京マフィアの対立抗争の蓄積より生じた惨劇であった。90年代新宿の様子を中国の視点から描いた映画では、2009年ジャッキー・チェン主演の『新宿インシデント』がある。

本作もそんな90年代新宿の裏社会が在日二世の警察官というセンシティブな立場の主人公によって描き出される。
しかし、ここまで長々書いてきたようなことは、単にここから書き始める内容を善良なフォロワー様方に見せないためのカモフラージュである。まじでこういうシモ方面はフォロワーが減るので、ここから先を見る方は注意していただきたいのだが。


本作の白眉は、アナルファックである。椎名桔平もアナルファックを仕掛ける。とても面白い。取り調べでしらばっくれる容疑者を、アナルファックの快楽で自白させるところなど実に素晴らしい発想であった。男娼にフェラさせるシーンがやたら出てくるのも、(男女問わず)女性とのセックスがエロく撮れない三池監督が、本当はこういうのが撮れたかったのではないかと妙な納得をしてしまうほど良かった。
他にも上海ロケは心に残るシーンが多かったかな。あの現地の警官との、なんとも言えん気まずめの食事シーン。良かったすっねー。
あと、ババアの眼球をくり抜くシーンは、あゝ〜〜三池映画だな〜〜と嬉しくなったりして。

結論。
田口トモロヲはエグい巨根であり、露出狂である。
このキャラクターが後に『フルメタル極道』へと繋がっていくのだなぁ。
というわけで、
サヨナラ! 早漏短小おじさん!!
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