しんご

48時間PART2 帰って来たふたりのしんごのレビュー・感想・評価

2.9
5年くらい前、山下智久の「SUMMER NUDE」って月9で本作について言及されるシーンがある。ある日突然失踪した恋人と観るために、山下が本作の延滞金を3年も払い続けているというものだ。きっと脚本家の好みの作品なんだろうな。

そんな一部の好みとは裏腹に自分としてはしっくり来ない作品だったのが残念だ。

オープニングクレジットでは一番最初に「エディ・マーフィー」の名前が表れる。エディは今作のプロデュースも手がけ、原案も書いている。そう、これは前作以降ハリウッドスターダムを駆け上がったエディによるエディのための映画なんだと思い知らされる。

前作では細身で、口が達者ないかにもチンピラ風情だったエディも本作ではもうスターの貫禄十分でとても囚人には見えない。

なぜか刑期が8年も延びたにも関わらずニック・ノルティはエディに一度も面会に行かなかったのも謎で、ここで2人の人間関係が半分リセットされたような状態にあるのも不思議。1作目で確立されたに見えたあのバディ感は何だったの?と突っ込みたくなる。そんなニックに対して、金のためとはいえ出所したエディが渋々協力する図式も凄い違和感がある。

さらに鑑賞してて辛かったのが前作を彷彿させるシーンが多すぎること。「オマージュ」を越えた単なる焼き直しで、ファンには嬉しいかもだけど、ちょっと内輪にすり寄り過ぎな感が拭えない。「2匹目のドジョウを掬いに行った」典型的な感じで、もっと続編ならではのオリジナリティが欲しかった。
しんご

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