あんときの井上

春との旅のあんときの井上のレビュー・感想・評価

春との旅(2009年製作の映画)
3.3
2人の歩き方が似てるのがよい。

恐らく人生の歩み方も似ているのだろう。

仲代達矢の存在感が遺憾無く発揮されているからこその、糸が事切れるように倒れる電車内のラストがなんとも切なかった。

生きていることを祈ろう。

兄弟を訪ね歩き断られる様子には、現在の介護施設や病院をたらい回しにされる老人の姿と重なり、何度もツラくもどかしい思いをした。

しかし、離婚した徳永えりの父を最後に訪ねると、そこで初めて一緒に暮らせる光明が見える。

だけど、2人は離れ離れに暮らす選択を選ばず、2人で今まで通り一緒に暮らす選択をする。

ずっと隣にいた人が2人にとっての光明だった。

生きていることを祈る前に、私も介護施設に入居している祖母に会いに行こ。
あんときの井上

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