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噂の女のtk33220のレビュー・感想・評価

噂の女(1954年製作の映画)
5.0
田中絹代が狂言の裏で中村雀右衛門と久我美子が一緒に東京行きについて会話しているところに遭遇し出て行きたい気持ちを抑える場面と、日本家屋にちょっと不釣り合いなドビュッシーのピアノの音に誘われるように田中絹代が二人の逢引きの場に障子を開けて侵入するというエモーショナルな演出が凄まじい。部屋に置いてあるランプを活用した照明設計や、奥行きを生かした構図による人物の動かし方も凄い。姉を亡くした妹がラストに井筒屋にやってくる場面で、右奥から仕事に向かっていく花魁が整列して画面に登場するところで訳もわからず感動させられる。
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