伊達巻

噂の女の伊達巻のレビュー・感想・評価

噂の女(1954年製作の映画)
4.3
久しぶりの溝口、一つ一つのショットがほんと凄まじくて惚れ惚れする。思い切り跳ね上がるような話ではないしずっとネチネチしてるけどかなり面白い。母と娘が同じ男を好きになってしまうというのは同じ年代の日本映画で観たことがあるのだけど全然思い出せないなんだっけ。わたしたちのこと嫌いなんじゃないのと恐る恐る近づいて仕方ないんでしょと返されて少しずつ穏やかで華やかな雰囲気に包まれていく部屋のショットでなんか分かんないけど泣いてしまった。角度は異なれど赤線地帯と似た趣のラスト。画の美しさはここに極まれりという感じがする。
伊達巻

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