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噂の女
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『噂の女』に投稿された感想・評価

kazu1961

kazu1961の感想・評価

3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-320 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋溝口健二作品としてはあまり目立っていないけど良作な一本。実家の置屋の女主人をしている母親とそれを嫌っている娘、その母娘と若い医者の三角関係と、それを通じて母親の仕事を理解するようになる娘を描いた作品。二人の女性を田中絹代と久我美子の2世代スターが共演し、それぞれの生き様を見事に描いて、最後にまとめるのは溝口健二ならでは。

🖋置屋の女主人の役割を演ずる田中絹代の演技が絶品。女の強さ、哀しさ、美しさを上品にかつ圧倒的な存在感で演じています。久我美子はオードリー・ヘップバーンがブームだったのか、ポイントで魅せる洋服、髪型がヘップバーン調でとでも素敵です。

🖋さらに、日本様式の廓屋、太夫の着物、そしてその時代の言葉の美しさに魅入ってしまいます。

🖋全体を通して身体を売る仕事も美しい側面もあると肯定しているのが時代、かつ印象的でした。

😌Story:(参考: Amazon)
京都の色街・島原で置屋を女手一つで切り盛りしている初子。東京の音楽学校に通い婚約直前であった娘、雪子が自殺を図り、家へ戻ってくる。 初子は年下の医者で思いを寄せている的場に娘を診せる。傷心の雪子であったが、いつしか親密となった的場に、母親の仕事のために自分の婚約が破棄されて自殺に及んだことを打ち明ける……。

🔸Database🔸
・邦題 :『噂の女(1954)』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1954
・日本公開 : 1954/06/20
・上映時間 : 83分
・受賞 : ※※※
・監督 : 溝口健二
・脚本 : 成澤昌茂 、依田義賢
・原作 : ※※※
・撮影 : 宮川一夫
・音楽 : 黛敏郎
・出演 : 田中絹代、大谷友右衛門、久我美子、進藤英太郎、浪花千栄子

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「山椒大夫」の依田義賢と「花のいのちを」の成澤昌茂が脚本を書き、「山椒大夫」に次ぎ溝口健二が監督、同じく宮川一夫が撮影を担当、音楽は「昨日と明日の間」の黛敏郎が当っている。主演は「女の園」の久我美子、「股旅わらじ 恋慕笠」の大谷友右衛門、「女の暦」の田中絹代、「昨日と明日の間」の進藤英太郎、「殴り込み孫悟空」の峰幸子、阿井三千子等である。
戦後の京都の花街・島原を舞台に、置屋(芸者ではなく遊女の方)を経営する母と東京から帰ってきた娘が繰り広げる愛憎ドラマ。

溝口健二&田中絹代コンビの最後となった作品なのだが、最初に宣言するが個人的には今回観た溝口映画の中でもベストワンであり、田中絹代も今まで観た作品の中でも出色の演技だったと思う。


主人公・初子(演:田中絹代)は島原でも指折りの老舗である置屋を女手一つで切り盛りしていた。

ある日、東京の音楽学校に通っていたもう一人の主人公・娘の雪子(演:久我美子)が帰ってくる。

彼女は婚約直前の相手から一方的に婚約破棄されたことがショックで自殺未遂を起こしていた。

その傷を癒すために久方ぶりに実家へ戻ってきたのである。

丁度その頃、初子はお店の遊女たちの掛かり付けの医師である的場(演:大谷友右衛門(のちの中村雀右衛門))に好意を寄せていた。

彼女はこの年若の医師にお金を融通して彼の念願だった個人医院を持たせてあげようと考えていた。そして的場も初子の厚意に喜んで受けていた。

いまだ傷心でいた雪子も的場に診察させた初子だったが、いつしか雪子と的場が親密となってしまい……。


何故、自分は本作が好きなのか。

いつもの溝口作品と同じく虐げられる女性が主人公で、ラストも「いつまでこういう商売が続くんだろか」と台詞で終わっているが、本作には他の溝口作品と決定的に違う点がある。

女としての……いや人間としての意地を主人公が見せて、虐げる側の敵に逆襲するのだ。

それまで防戦一方で泣き寝入りするのがほとんどだった溝口映画のヒロインの中で、本作のキャラクターは異色のように思う。

久我美子、その人である。

オードリー・ヘップバーンの如きヘアースタイルが印象的だが、本作の彼女は本家ヘップバーンのように守られる立場の女性ではなく、守る立場の女性である。

心に深い傷をおい、母親やその家業に対して憎しみを抱くが、やはり心の奥底では母との繋がりが切れないでいる。クライマックスで彼女が見せた勇気が素晴らしかった。

また田中絹代のキャラ造形も他の溝口作品と趣が異なる。本作の田中絹代の演技はピカ一で、開口一番発せられる田中の見事な京言葉(しかも冷たさがある)に「これ、いつもの田中絹代と違う!」と驚いた。

『西鶴一代女』も『雨月物語』も『山椒大夫』も身は落ちぶれ果てていても高貴な心を持ち合わせた人物だった。

しかし、本作では嫉妬に狂い実の娘に対して憎しみを抱く、ある意味、一番人間らしさのあるキャラクターを演じていた。

中盤の能鑑賞の場で娘が自分が愛した男と親しげにしているのを目撃した時のあの表情が忘れられない。もう怖い怖い怖い!

この方が何故に名女優と謳われたのかよぉくわかった。

■映画 DATA==========================
監督:溝口健二
脚本:依田義賢/成澤昌茂
企画:辻久一
音楽:黛敏郎
撮影:宮川一夫
公開:1954年6月20日(日)
neroli

neroliの感想・評価

4.2
■溝口健二監督作品、母娘のドロドロ関係が面白い、笑■
 
 
封建的な社会や男性の犠牲となる女性を描いた監督さん。
 
 
田中絹代氏が演じる母親初子は、「京・島原の太夫」の置屋+お茶屋を切り盛りする井筒屋の女将さん。
 
娘雪子は東京の音楽学校に通っており、実家は汚い商売をしていると思っている。
 
自分の恋がうまくいかなかったのも、実家の商売のせいで破談にされたからだと思っていた。
 
 
太夫の一人が病気になり、医師が登場する。
 
その医師をめぐって、母娘が対立するメロドラマとなる、笑
 
医師と娘がイチャイチャしていると、画像の四隅に母親が登場し、心配そうに覗き込む姿が映るのが面白い、笑
 
母親は二人の会話を横で盗み聞きする。
映画の中でのこういうドロドロ関係が大好きだ、笑
 
 
最後、母親と娘は?
意外な方向に向かって、娘は人間として成長するのである。
 
 
 

■「京・島原の太夫」とは?■
 
 
江戸時代の花柳界のトップと言えば、「京・島原の太夫」と、「江戸・吉原の花魁」。
 
「京・島原の太夫」は、それに見合う芸と教養を身につけていた。
 
歌舞音曲が師範級であるだけでなく、書道、香道、華道、文学にも秀でていなければいけなかった。
 
 
「京・島原の太夫」と「江戸・吉原の花魁」の違いは、「江戸・吉原の花魁」は、芸をしなかったというところ。
 
花魁は芸をしないものの(理由は、お金がかかるから)最高級の遊女としての知識と教養を持ち合わせていたそう。
 
 
女将である母親初子が娘を東京の音楽学校に行かせているのも理由がわかりました〜
 
 

■久我美子氏がオードリー・ペップバーンに見える〜笑■
 
 
本作は『ローマの休日』の翌年の作品。
 
久我美子氏がオードリー・ペップバーンに見える〜笑
 
東京ではこういうスタイルの女性が多かったのでしょうか?

当時の流行りを見ているようで面白い〜♡
 

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