“そうだ感じる
目も口も歯も舌も鼻もない
えぐれているだけだ
これが僕だ、そして生きている
誰か助けてくれ”
“腕があれば自殺できる
脚があれば逃げられる
叫んでも誰も助けてくれない”
植物人間になり、肉塊と化した人間が意識下で訴える言葉の重みが凄まじい。
また、首を使ってのモールス信号でやっと他人とコミュニケーションが取れたと思いきや
「殺してくれ」と何度も繰り返す様は見ていて心が痛かった。
もし、自分が四肢・目・鼻・口を失い
感じていることを伝えることが出来ず、生きることも死ぬことも出来ない状況に置かれたら
と考えるだけで恐ろしい。
今まで鑑賞したことのある戦争を扱った映画では「平和」や「生の尊厳」について触れられることが多かったが
この作品では「死の尊厳」について考えさせられた。