第一次世界大戦に志願出兵して、
爆撃により、手足、目、鼻、耳、口を失いながらも救出され、
植物状態と診断されるも、研究のため生かされた青年米兵の話。
実際には脳に障害はなく、明瞭な意識があり、思考もできるが、
外界とのインターフェースが塞がれているために、
それを外側に知らせることができない。
自我が肉塊の中に閉じ込められた状態での苦悩、懊悩。
新たに入る情報がきわめて限定的(寒暖と振動を感じることはできる)である以上、
過去の記憶を遡ることが多くなる。
何気ないが幸せだった日々の記憶。恋人、家族、友人。
中でも親父の存在感が大きい。
その親父との関係性を釣り竿に集約させた脚本の妙。
余韻を残すエンディング。