a

運動靴と赤い金魚のaのレビュー・感想・評価

運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)
4.0
みんな誠実で、優しくて(遅刻を咎める先生以外)、良い映画だった。
靴をなくしてしまったこと、大人に言えないし、妹は可哀想だし、でも自分も靴は必要だし……で揺れるお兄ちゃんがとっても健気。
妹も、お兄ちゃんを泣いて責めて靴を奪ってもいいと思うのに、ずっと気遣って優しかった。
貧しい生活をしていても、預かった砂糖に手をつけず、お隣にスープを分けてあげるお父さんとお母さん、立派な人たち。

でもそもそもお父さんが子どもを殴る人じゃなければ、アリは正直に話して、ごめんなさい、と言えたし、ザーラも殴られるお兄ちゃんを見たくないがために内緒にしておく、なんてことしなくてよかったと思う。
子どもたちが余計な気遣いをせざるを得ない環境にいるために、子どもじゃいられなくなっている様子が辛かった。
子どもたちの純粋な考えや思いやりが光る映画だけど、それを愛でている時点で大人って本当に勝手だと思う。

ハッピーエンドを予期させるラストがとても良かったです。
終始、1足の靴も買えないほど貧しいんだ……と辛い気持ちにはなったけれど、見てよかった〜

追記:イランが置かれている政治的、宗教的現状をもっと勉強しよう
a

a