Jimmy

東京マダムと大阪夫人のJimmyのレビュー・感想・評価

東京マダムと大阪夫人(1953年製作の映画)
4.3
川島雄三監督による雰囲気が楽しい娯楽作であり、タイトルの東京マダムと大阪夫人よりも、とっても若々しい芦川いづみが清楚で美しい!…と思って観ていたら、この作品、芦川いづみのデビュー作であった。

東京郊外にある某会社の社宅は、似たような家が並び、「あひるヶ丘」と呼ばれている。オープニングにもアヒルが映る。この「あひるヶ丘」社宅でガーガーとやかましいのは社宅に住む奥様どうしという川島監督の描き方はユニークであり、ペチャクチャ喋る奥様たちとアヒルたちを交互に映す場面などは微笑ましい。

さて、映画タイトルにあるとおり、東京マダム(月丘夢路)…夫は三橋達也、大阪夫人(水原真知子)…夫は大坂志郎、の夫婦はお隣どうしであるが、大阪夫人が電気洗濯機を買ったので対抗心を燃やした東京マダムも電気洗濯機を買う。当時の電気洗濯機は高級品で近所の話題になる。「なにも、そんなことで競わなくても…」と観ていて思う(笑)
また、夫どうしは会社で机を並べる同僚である。

八郎という飛行機乗り(高橋貞二)が東京マダムの妹=康子(芦川いづみ)に秘かに恋心を抱いているのに、夫の出世のために会社の専務の娘を八郎と結婚させようとするなど、俗世間的な奥様方が暗躍する物語も気楽に観られる楽しさである。

この映画、1953年頃の東京風景はさほど映らないが、大阪ロケ場面では阪急百貨店や心斎橋などが映る。

川島雄三監督らしいチョットお洒落で楽しいドラマであった。
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