さく

天井桟敷の人々のさくのレビュー・感想・評価

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)
3.0
4Kリマスター版2K上映にて。

美輪明宏さん推奨の名画とのことで、気合を入れて鑑賞したものの、いまいちピンとこなかった…。第二次世界大戦中に作成と、かなり古い映画のためあまり今日的価値観から語っても意味がないのかもしれませんが。恋愛もの好きの方は楽しめるのでしょうか。「犯罪通り」って名前はいいですね。

ここから先はネタバレを含みます。

どこまで実際に近いのかはわかりませんが、当時のフランスのドヤ街の文化にふれることができた点は楽しめました。盲人を装ったおっさんとかいかにも居そうだし、今でもよく使われるキャラ設定ですね。古着屋のジェリコ(ピエール・ルノワール)もいい感じ…と脇役陣は楽しめました。

しかし、肝心な主役二名が事情はどうあれ「あまりにも自分勝手過ぎない?」としか思えずに乗れませんでした。これが中高生の青臭い恋愛映画だったらまだ許せたんでしょうが、バチスト(ジャン=ルイ・バロー)は、ナタリー(マリア・ガザレス)とこ間に子供作ってんでしょ? 最後、自分の子供に目もくれず、ガランス(アルレッティ)を追いかけていくのはあまりにもひどすぎます。祭楽しみにしてきたんだよ?
都合よく使われたモントレー伯爵(ルイ・サルー)も不憫でならない。

以下、余談(メモ)
・劇中劇で、この時代既にメタフィクション的なアプローチはされていた。
・古着屋は本当にああいうスタイルで売っていたのか?
・天才的なバチストは何故無能扱いされていたのか? 親父がただ才能を見抜けなかっただけ?
・日本の昭和のコメディに色々影響を与えてそう。
・あさじきじゃなくてさじき。
・セリフはシャレオツ。
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