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天井桟敷の人々のcamusonのレビュー・感想・評価

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)
4.2
「天井桟敷」と聞くと、まず寺山修司のアングラ劇団のイメージがあって、
詳しくは知らないのですが、禍々しいイメージがあって、
乱歩の屋根裏の散歩者の近縁的な位置づけ?と連想していたのですが、
調べてみたところ劇場の最後部、最上部のことらしいです。勉強になります。
仏語原題はLes enfants du Paradis(楽園の子供たち)。
天井桟敷関係ないがな。


さて、作品についてです。紛う方なき大作です。

フランス映画に対して、予算と人をふんだんに注ぎ込んだ
大作のイメージをあまり持っていなかったので、驚きました。
しかも、ナチス占領下のフランスですからね。


ある女と、それに関わる4人の男の話で、
軽い恋から重たい愛まで各種取り揃え。
ヒロインは整った美人ではないのですが、
自由奔放で自分の気持ちに正直ながら、
只の足軽女とは言わせない品格を合わせ持っていて、
なかなか魅力的です。

軽薄でキザな役者男が、役者人生を貫いていて格好良かったのと、
恋愛に真摯な無言劇男が、最後こじらせて痛々しかったのと、
本当いろいろだよなぁと感慨にふけることができました。
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