悪魔の毒々クチビル

スポンティニアス・コンバッション/人体自然発火の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.7
燃え上が~れ~、ドゥーリフ~。

放射能耐久の実験台になった夫婦から産まれた子どもが後に大変なことになるお話。


トビー・フーパー監督によるホラー映画。何と「ゴジラ」へのオマージュらしいです。

内容は至ってシンプルで、主人公が大人になって突然身体から炎が吹き出るようになってしまうってだけ。
なんだけど、この主人公サム、自分の身体だけでなく他人も焼き尽くす事が出来ちゃうんですよね。しかも電話越しでも行けちゃう。
正直この原理はさっぱり分からないんだけど、感情が昂った時に発動しちゃうみたいなんで迂闊に口論も出来ない相手ですね。
演じるのはまだ若さが残っているブラッド・ドゥーリフ。
中盤以降、自分の身体の状況や出自の秘密なんかを知ってどんどん追い込まれた表情になっていって、これが中々に強烈で流石だな~とか思っていたんだけど、よく考えたら素の表情も凄い神経質そうなのよね。

物凄い勢いで人を焼き尽くすので、血の量はかなり少ないものの、黒焦げになった死体の造りだったりサムの腕やへそから炎が吹き出す様が鮮烈だったので結構見応えはありました。
ただ頭蓋骨ちっちゃくね?

途中で出てきた霊能力者とか全体的に半端な要素は多かったけど、テンポは良かったので退屈せずに観られました。フーパー作品の中でも上位に来ると思う。
サムが割と見境いなく人を殺していて、そのまま闇落ちエンドかと思いきやまさかの感動路線に。ただ終わり方がめっちゃ雑で湧いたであろう情緒もしっかり消滅してしまいました。もうちょい残しておけば良かったのに。
あ、ジョン・ランディスも焼かれるよ!