Bobsan

悪魔の沼のBobsanのレビュー・感想・評価

悪魔の沼(1976年製作の映画)
5.0
この作品は1930年代に20人以上の女性を殺害し、裏庭の池で飼育していたワニの餌にしていたとされるジョー・ポールという男の事件が元になっていますね。
このジョー・ポールという男は第一次世界大戦のヨーロッパ戦線で活躍し、名誉除隊となってテキサスに帰郷した後、禁酒法下での酒の密売業を経て、"ソーシャブル・イン"という酒場を開業しました。そこで客寄せの為に裏庭の池で5頭のワニを飼い、馬肉を与えたり、時には生きた動物を池に投げ込むなどの余興を行う馬鹿野郎だったそうです。
更に美人で可愛いらしいウェイトレスを雇っていた事も店の売りにしていました。
店は繁盛しましたが、ポールは次々とウェイトレスに手を出して、その内のドロレスという女性と結婚します。しかしポールの手癖は収まりませんでした。
やがてドロレスを含む複数の女性が行方不明になり警察が捜査を始めます。追い詰められたポールは拳銃自殺で呆気なくこの世を去りました。
店の雑用係の男が、ポールは殺害した女性達をバラバラにしてワニの餌にしていたと供述しましたが池の周辺から人肉は検出されず、後になってドロレスもカリフォルニアで生きている事がわかりました。
フーパー監督はこの事件を"深い森の奥に佇む霧に包まれた怪奇の館で起こる惨劇"という古典的な王道怪奇映画スタイルでじっくりねっとりと描きました。やはりこの監督のスタイルは王道、古典なのだなぁと思いました。
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