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戦火の中へのyuuuumiのレビュー・感想・評価

戦火の中へ(2010年製作の映画)
4.0
1950年が舞台の戦争映画。
71名の学徒兵の戦いを描いた作品。38度線を越えてきた朝鮮人民軍との戦いでの劣勢で、韓国軍は反撃を試みる…。
実話を元に脚色した作品です。

韓国と北朝鮮との戦いは冒頭の銃撃戦からの描写からも、本気で憎しみ合っていて、北と南の違いというだけなのに、惨状を目の当たりにしました。

韓国軍も人手が足らないからと、まだ若い学生達にまで戦争に参戦させる悲惨な状況。
時折回想シーンでの戦場に送り出された時の母との別れのシーンでは、送り出す方も心苦しかっただろうと思わせられる場面。学生達が渡された物は教科書ではなく銃と実弾。

学生達をまとめるのも学生。戦争中といえど、軍人ではないから緊張感はない。夜更かしもしたいし、楽しい事もしたい学生達に自覚を持たせる恐ろしい出来事が次々と襲いかかる状況でした。

学徒兵の中の年長者であるガプチョ(クォン・サンウ)と、中隊長であるジャンボム(T.O.P)は、ぶつかり合いながらも、お互いを信頼する仲となり、敵側の隊長パク(チャ・スンウォン)との激しい戦いを繰り広げていくことに。

戦闘シーンがとても多くて、学生達が拠点としていた学校を死守するために皆が皆を守ろうと犠牲になったたくさんの命は観ていてとても辛くて、悲しくなります。
集合写真のシーンでは、全員揃った時の状況に思いを巡らせる事ができた貴重な場面。
今でも現実に38度線でにらみ合っている辛い状況がなくなる日は来るのか、静かに見守っていきたいと思います。
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