ハリ

NOEL ノエルのハリのネタバレレビュー・内容・結末

NOEL ノエル(2004年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

認知症の母を介護しながら1人寂しくクリスマスイブを乗り切ろうとする中年女性を中心として、過去に悩む者、現在に悩む者、様々な登場人物の心に抱えるものと向き合う群像劇

個人的にはとても暖かい映画だった。
煌めきのある派手さは無いが心を静かに暖めてくれる感覚。クリスマスという雰囲気にもマッチしており、

"誰にでも幸せになるという権利はあり、それを簡単に放棄すべきでは無い"

というメッセージ性も感じられた。
自分の人生に楽しみはもう無いと決めつけている中年女性、自信の無さから恋人を束縛してしまいそれに気付けない警察官、その警察官と本当に結婚していいのか迷い悩む婚約者、過去な重大な過ちの呪縛から逃れられないウェイター、子供の頃の楽しい想い出にしがみつき大人になってもそれが忘れられない男性、そして脇役ながら存在感を放っていたロビン・ウィリアムズ演じる誰も見舞いに来ないただ死を待つだけの患者。

クリスマスイブという一夜の舞台で悩みを秘めた者達が交錯する事で、心のわだかまりがゆっくりと溶けていく様がとても心地よい。

ファンタジーチックな奇跡のおかげで本心と向き合う登場人物達だが、そうでもしなければ固く閉ざされてしまった心の扉を開ける術は無いんだろうな。

リアルでは無い所がクリスマス映画としての完成度を高めてくれている。
Filmarksの評価は低めだが個人的には大満足で、クリスマスシーズンには観たくなる映画。
個人的評価:良作
ハリ

ハリ