浅野公喜

ドラキュリアンの浅野公喜のレビュー・感想・評価

ドラキュリアン(1987年製作の映画)
3.8
現代に蘇ったドラキュラや狼男やミイラ達に少年達が立ち向かうジュブナイル系コメディホラー。監督は「ガバリン」や幻の80sハリウッド版「ゴジラ」の原案や脚本等に携わり、近年は「ザ・プレデター」の脚本を手掛けたフレッド・デッカーで、脚本は「リーサル・ウェポン」シリーズのシェーン・ブラックと豪華。

正直怪物達はそのビジュアル含め全く怖く無いのですが、彼らと一緒に甦ったフランケンシュタインの怪物は少年グループ側になるのがユニークで、紅一点で少年達とは仲間外れになりやすい少女と外れ者同士で仲良くなる流れも自然且つ二人の出逢いは「フランケンシュタイン(1931年)」(あるいは「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」)と同様湖なのが芸が細かい。

ベタながら怪物退治を通じて不仲だった両親の関係が修復される点も悪く無く、怪しいと思っていた近所の家のドイツ人の老人が仲間に加わるのは好奇心をくすぐり、車に引っ張られて漫画の如く包帯がどんどん解けるミイラの死に様はユーモラスで、終盤に少年を助ける冒頭のあの人の登場やちょっと切ない別れは感動的です。

ドラキュラがコウモリに変化する様子は序盤の飛行機内ではちゃんと描く一方で、終盤では家の壁に写った影(アニメーション)で描くという工夫も印象的でした。屋根の上でハンバーガーを食べながら遠くのドライブインシアターで上映中の映画を望遠鏡で眺めるのには憧れます。

今作も個人的に当たりが多いトライスター製作で、ユニコーンが登場するロゴを観ると面白い作品だと最近は確信してしまいがちだったり。部屋にモンスターが居ると騒ぐ子供が日本の「マクロス」と「サザンクロス」、「モスピーダ」を合わせて一つにして北米で放送されたシリーズの「ロボテック」のパジャマを着ているのにも注目。
浅野公喜

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