真っ黒こげ太郎

13日の金曜日/ジェイソンの命日の真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

3.5
前作の失敗により権利が売られ、別の会社へ…。

…でも移籍して心機一転!!!改めてレッツ、若者狩り!!!!




…!?

…ってえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇえぇぇぇ!!!!!????





クリスタル・レイクを訪れた女性の前にジェイソンが現れる!!!
(ってか、どうやってニューヨークから帰ってきたの!?w)
早速女性を追いかけまわすジェイソンだったが、何とこの女性は特殊部隊の罠だった!!!
(えぇ!?)
特殊部隊と殺人鬼の死闘が始まr…までもなく大量の銃弾と迫撃砲のトドメを受けて、ジェイソン、爆発四散!!!
(えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!????)

その後、バラバラになったジェイソンの遺体は検死に回されるが、バラバラにされてもなお動くジェイソンの心臓を見た検死官が、突如ジェイソンの心臓にかぶりつく!!!!!
(えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!????)
すると検死官にジェイソンの魂が宿り、人々を殺し回り始めた!!!
肉体は死んだジェイソンだが、他の人々に乗り移り、殺戮を再開したのだ!!!!!!!!!!




…どうしてこうなった!!!!????マジで!!!!!????



キャンプ場を訪れた人々を次々と手に掛けてゆく、恐るべき殺人鬼…の魂が人々に乗り移り殺戮を繰り広げるオカルト・寄生生物・ホラー。
スラッシャー映画の金字塔として名高い「13日の金曜日」シリーズ第九作目…なんだけど…。


今回は冒頭からまさかまさかの展開!!!!何と開始7分でジェイソンが死亡!!!!
それも特殊部隊の総攻撃で、木っ端微塵になってしまう!!!!

いきなり女と追いかけっこになる最初からクライマックスな展開だと思ったら、速攻で「13金」のお話、終幕!!!!
いやいやいや!!!!いくら何でも早すぎるだろ!!!!
今までは確かに展開スローだと思ってたけど、流石に両極端すぎるだろ!!!!!!
もうなんやねんこれ!!!!???訳分からんわ!!!!!!!!www


そんで衝撃の展開で幕を開けた本作、じゃあこれから80分どうすんだと思ったら、なんとジェイソンが他の人に乗り移り、その人の姿を借りて大暴れするというジャック・ショルダー監督の「ヒドゥン」みたいな展開に!!!
なんじゃそら!!!!!!??????
更に「宿主は長く肉体を保てないので血縁者の肉体が必要」、「憑依した人間が鏡の中ではジェイソンの姿で映る」等、前作以上にオカルトファンタジー感漂う設定が明らかになる!!


更に物語も唐突にジェイソンハンターなる男が乱入してきたり、ジェイソンの実家や娘が出てきたりと、後乗せサクサクで今まで匂わせてもいなかった連中がぽこじゃか出てくる。
(オマケにジェイソンハンターはやけにジェイソン側の内情に詳しい、何なんだアンタ。)

挙句今まで見た作品は何だったんだと言いたくなる程ぶっ飛んだジェイソンの本体(!?)が現れたり、ジェイソンを倒す為の聖なる短剣(!??)が登場したりと心機一転とは思えない迷走暴走っぷり。

なお、乗り移ったジェイソンはクリスタルレイクに戻り、相変わらず若者を狩ったりしてくれるのだが、姿は乗り移った人と変わらないので、一抹の寂しさを感じる…。
話はかなりハイテンポで進むが、お馴染みのマスクマンが全く姿を見せないままお話がズンズン進んでしまうので、「あれ、俺13金見てるんだよな…?」と遠い目になってしまった…。
そしてジェイソンが正式に姿を現すのがラスト10分過ぎてから!!!出番少なすぎ!!!!!




そんなこんなで、何時も以上にハチャメチャでゴリゴリの迷走を見せた本作だが、作品単体の寄生生物ホラーとしては案外悪くない。
過去の作品に比べると格段にテンポがいいし、(ジェイソンが出ない事を除けば)忙しなく二転三転する展開で中々楽しめる。


今作、制作会社が変わったからか、人体破壊シーンがまさかのパワーアップ。
以前の作品同様見せない場面もあった今シリーズだが、今回は串刺しにされた後真っ二つにする姿を堂々と見せたり、顔面を金網越しにミンチにしたりと、人体破壊がある程度見えるように描かれるようになった。
また体を保てなくなった憑依主が特殊メイクでデロデロに溶けるシーンもあって、残酷ホラーとしては中々見ごたえがある。

また今作はお祭り感に溢れた作風となっており、窓から落ちた殺人鬼が消える「ハロウィン」まんまなシーンや「死霊のはらわた」まんまな死霊の書が出てきたりと、名作ホラーのパロディに溢れている。
…思えば食堂や警察署での大乱闘も「ターミネーター」シリーズまんまだし、憑依主が溶ける場面も「ヘルレイザー」まんまだな。w

話はシッチャカメッチャカだが、兎に角常にドッタンバッタン大騒ぎが起こっているからか最後まで飽きずには見れた。
クライマックスはバカ展開の連続だし、最後の最後にはまさかまさかのサプライズゲストが…!?



…まさかここからあのクロスオーバーに繋がってゆくとは…。

…「エルム街の悪夢」シリーズは1作目しか見てんかったから、何時か追いかけねば。




そんなこんなで何だかんだ最後まで見れたし、スプラッターも心機一転して進化していたが、余りに別物過ぎる内容に終始困惑してしまった…。
…マスクの殺人鬼が若者をコロコロする姿が恋しい。

制作会社が変わり、リニューアルした代わりなのかもしれないが、これはいくら何でも変わり過ぎだろう!!!!
移籍早々こんな内容でいいのか!????って良くなかったらしく、シリーズはこの後8年近く間が空くことに…。
次回の「ジェイソンX」が賛否ありつつも正統派な展開をなぞってるのは今作のやりすぎっぷりが原因かもしれない…。

正直滅茶苦茶な内容で、今までシリーズを追ってきた人に迫撃砲をお見舞いするかのような内容なのだが、この迷走っぷりはすさまじいので、ファンの方は覚悟を決めた上でどうぞ。w


因みにレビュワーの中では今作だけ配信やレンタルが無く見れなかったという声が多かった。
(自分は行きつけのレンタルショップで運よく見つけた。)

だが、今作は余りにデタラメかつメチャクチャなので、今作を見てショックを受けなかっただけ良かったのかもしれないとさえ思ってしまった。w
(正直、13金シリーズとしては10作目のトンデモ祭りな「ジェイソンX」以上に滅茶苦茶だぞこれ。w)