コロン

スリーパーズのコロンのレビュー・感想・評価

スリーパーズ(1996年製作の映画)
4.0
少年刑務所での4人の看守からの性的暴行という辛い過去を共有する仲良し4人組(マイケル、シェイクス、ジョン、トミー)の少年時代と現在をカットバックも交え重層的に描いた、ヒューマンドラマとリーガルサスペンスが融合した名画だと思う。出所後10数年が経った現在、マフィアの殺し屋になっていたジョンとトミーが憎っくき元看守ノークス=ケヴィン・ベーコンに偶然出会う。2人は何の躊躇いもなくノークスを射殺し、裁判にかけられる。検事補になっていたマイケル=ブラッド・ピットはこの裁判を利用して、過去は封印したままで、残る3人の元看守を破滅させ、同時に被告2人は無罪に導く(検事補なのに!)という難題を、計画を練りに練った上で実行していくという復讐劇が後半のメインストーリー。このブラッド・ピットがとにかくクールでスマート。彼の意を受けて困難な根回しや交渉を誠実に行なっていく新聞記者シェイクス=ジェイソン・パトリック、慈愛に満ち、偽証さえも辞さなかったボビー神父=ロバート・デ・ニーロ、身内には情に厚く、頼りになる元マフィアの顔役キング・ベニー、子供時代の友情を大人になっても持ち続けた紅一点ミニー・ドライヴァー、皆それぞれが魅力的でつい感情移入して応援してしまう。無罪判決の後、4人組とミニーが屈託なく談笑し、心の底から楽しめた時間を共に過ごせたことがせめてもの救いなのか。何とも痛ましく、哀しい。
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