ナイトアウェイク

スリーパーズのナイトアウェイクのネタバレレビュー・内容・結末

スリーパーズ(1996年製作の映画)
1.1

このレビューはネタバレを含みます

フィルマークス27件目。

前提として
1.映画を鑑賞する為の参考にはしないでほしい。
2.自分への感想。
3.大好きな90年代映画。

素晴らしい、原作の良さを20倍に薄めた結果というのか。やっぱり原作には到底敵わないし、場面描写、心理描写共にちゃんと伝えるには、映画の時間だけでは足りないなぁ。

この作品って、まだ中学生になるかならないかの男の子達が、大人になっても味わう事もないような壮絶な虐待を受けて、それが復讐という形に繋がる話ですね。

[収監された身=犯罪者+しかも子供]という相手の立場を利用して、体の大きい大人の看守4人が、自分のモノをフェ〇チオさせて、ア〇ルに警棒突っ込んで、その子達の念願の出所前日にはお祝いのレイプパーティーという非道な事をしたのが、後の復讐の発端という。暴行の細かい描写は、想像だけでは程度が掴み難い。嫌悪感は生まれても、描き切るべきだった。作品の男の子達が人を意識的に、復讐の名のもとに殺害するというのは、それだけ壮絶だったんだから。

R15でもいいから、セロンの[モンスター]みたいに、暴行描写ははっきり描いて良かったな。じゃないと、大人になった後のその男の子が、看守のリーダー格を殺害する理由として弱い。あれでは、ギャングがただ偶然見付けた昔の嫌なヤツを、今はギャングだって勢いでヤっちまう程度にしか見えない。この二人は収監時期の件で人格まで歪められたのに、あまりその影響を感じない。

中でも、本来は強烈なのが、被害男子の内、弁護士になった男の子。と、神父様の葛藤。もっともっと丁寧に、時間割いても良かったな。神父が、どれ程苦しんで決断したのか。弁護士になった男の子が、真っ当な社会的地位に就きながら、それらを捨ててどれ程に復讐に燃えてたか。この復讐の一点のみの為に弁護士になった程なのに。
なんなら、一話完結ではなく、2部構成の方が、映画的に良かったんじゃないかな。[IT]みたいに、子供パート、大人パートで。

タイトルの内容が大事なのに、そこがあまり表現されてない。素材はとてもいい原作なのに、残念。
看守のリーダー格の男がすごく印象的で、それが評価できた。